鍼灸って?
鍼灸は、気血の循環を改善し、全身の調子を整える東洋医学の代表的物理療法です。
中国では20万年前から焼いた石などで局所を温め、1万年前には、膿を出す時などに動物の骨を加工した鍼が利用されていました。紀元前1世紀末に編纂された「黄帝内経」は、それまでの鍼灸医学の理論と臨床を集大成したものです。
日本へは6世紀後半に伝わり、長い間、各地で広く行われていましたが、明治初年、法律によって日本の医療は西洋医学にかわり、鍼灸は民間療法と位置づけられました。
第2次世界大戦後、鍼灸は医療類似行為として免許制になり、1970年に『按摩マッサージ指圧師、鍼師、灸師に関する法律』として改正されました。今は、高校卒業後、鍼灸医学を教える専門学校や短大、大学を卒業し、国家試験に合格するのが条件となっています。
大学院修士過程、博士過程もあり、鍼灸治療の効果を科学的に解明しようとする研究者も増えてきています。
鍼灸で期待される効果
鍼は刺入による刺激、灸は温熱刺激で、生理学的な作用機序には違いがありますが、効果は大変よく似ています。疲労が重なると真っ先に出現する頭痛や、肩こり、腰痛の他に、婦人科疾患、胃腸病、肌のトラブルなどにも効果が期待されます。慢性疾患はもとより、風邪や中毒などの急性疾患にも効果的な治療ができるとされています。
東洋医学は、心と体はひとつであるとする「心身一如」の考え方に基づき、古くから全身状態を改善させる治療を行ってきました。症状は、体全体の不調が一番弱い部分に出たもので、特定の場所の異常に見えても障害は全身に及んでいることもあるとする考え方です。
東洋医学にはこのように「全即個」、「個即全」の考え方があります。全身の調子を整えながら局所の改善を図っていき、最終的には、その症状が起こりにくい身体に導くという目標を持ち、予防医学としても期待されています。
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「未病」とは、「半健康で、病気に進行しつつある状態」とされています。「未病」を病気に進みつつある状態と捉えるならば、はやい段階で「未病」のサインを認識し、しかるべき手を打てばその進行を抑え、本格的な病気に移行することを防ぐことができます。
このように、つねに自らの生活習慣に気を配り、より本来の姿に近い心身の状況にもっていこうとする姿勢を、東洋医学(漢方)の世界では「中庸」と呼んでいます。
「中庸」では、からだの状態とは、どちらか一方向への偏りがないのが一番よいこと、とされています。
病だらけでも、健康すぎても、それは決して良いことではない、とする考え方です。
私たちのからだには本来、治癒力・自己回復力が備わっています。
ですから、それを活かす方向、もともとの生命力を十分に活かす方向にもっていくように意識することで、その本来の力を発揮させてあげましょう。


















