危機状況に対する心のケアのための救急処置

 突然の事件・事故、災害などの現場に居合わせた方、同僚や家族が巻き込まれた方、家族が会社の立て直しに奔走されている方など、これまでの平穏な日々とは予期せぬ状況になっている場合、日常とは異なるストレスが身体と心にかかってゆきます。しばらくは、物理的な立て直しで奔走しますが、1-2週間で疲労がピークを迎えます。PTSDと呼ばれる症状を予防するために、危機的な状況を体験したときに心と体に何が生じているのか及び、応急処置の方法を記しますので、参考にしてください。


●Crisis:危機状況とは何ですか?

 危機の間には、身体が影響を受け、様々な反応を示しますが、これらは、害があるとは限らず、急激な変化に自分が適応しようとしているのです。

反応は以下の様に分類できます。

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 これらの症状は、災害時には当たり前の反応なのですから、落ち着いて、自分自身のコントロール感を取り戻してください。

●私が感じている事を人は感じていない。これは、私が人より弱かったり、対応能力が欠けているという事なのでしょうか?

 人間の反応は様々で、外部的な反応がたとえ同じでも、心の反応が同じとは限りません。どのような症状も、状況に対処しようとする現れなので、自分の回復力に自信を持ってください。ゆっくりと深呼吸をして、「大丈夫。コントロールできる」と自分に語りかけましょう。

●どうしたら自分に起こっている事にうまく対処して行けるのでしょうか?

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●この状況が終わったら私はどうなるのだろう?

 ほとんどの場合、あなたの心理的な機能は今まで通りに戻ります。しかし、いくつかの症状、例えば事件が頭を過る、息が苦しくなる、急に恐くなる、悪夢、等は現れるかもしれません。これらは、PTSDと呼ばれ、事件後、1ー6ヶ月の間に生じます。これらの症状は自然と消えて行きますが、もし1ヶ月以上続くなら、早めに専門機関に相談してみてください。

 神経質になったり、不安、恐怖に教われるのはこのような危機下では当たり前の事です。
 何らかのサインが現れたら、あなたの心が一生懸命にストレスに対処しているのだと考えましょう。決して一人で抱え込まないでください。